脳に宿る心


脳に宿る心 − AIは心を持つか

岡田 直之

2017年4月

暫く前の話であるが,「脳に宿る心−認知科学・人工知能から神秘の世界に迫る」という書物をものした[オーム社,2009].人工知能(AI)の基礎として心と脳の仕組みや働きをやさしく,簡潔に記述するものであった.幸いなことに,出版して数か月で比較的著名なインターネット上の本ランキング(認知科学・AI部門)で首位となり,その座をほぼ保って現在に至っている.しかしAIの世界の数年は,一般社会の数十年にも匹敵しよう.AIには今,いわゆる深層学習をはじめ大きなうねりが生じている.その間筆者もまた認知科学の立場からAIについての考えを深め,いささか知見を得た.それらを加えて旧版を練り直し,「脳に宿る心−AIは心を持つか」を書き下ろした.ここにそれを披露し,読者の感想,意見,批判等をお聞かせ願いたい.

はしがき

目  次

第1章 心の科学:来し方

第2章 心理機能:認識,推考および表出

第3章 心理機能:情緒,記憶および言語

第4章 生理機能:神経生理,知覚および動作

第5章 心のデータ:常識の概念体系

第6章 脳に宿る心:階層と主体性

第7章 脳に宿る心:構成とシミュレーション

第8章 心の科学:将来に向けて

 

参考文献