サロン

サ ロ ン

筆者の身内に石本秀雄という画家がいました.油彩の画家ですが,佐賀大学美術科教授,日展参与などを務めた人物です.情報科学からはずいぶん遠い分野ですが,筆者の仕事に大きな影響を与えた一人です.このページでは,AIから少し離れ,絵画の話題でくつろいでいただこうと思います.


石本秀雄のプロフィール

いささかおこがましい言い方になりますが,美術に関し創作と教育に一生をささげた,立派な人物です.先輩,友人,後輩,そして家族に恵まれ,豆腐と晩酌をこよなく愛して幸せな人生を過ごしました.

石本秀雄  1908年生まれ.東京美術学校(現東京芸術大学)卒.佐賀県小城中学校教諭などを経て佐賀大学教授,定年退官.その間,佐賀大学特設美術科設置推進役,佐賀美術協会理事長,大学美術教育学会理事長,東光会理事,日展参与などを歴任.日展にて特選・朝倉賞,菊華賞,および会員賞を受賞.また文化庁文化功労者表彰,紫綬褒章,勲三等旭日中授章などを授章.1986年没.



石本秀雄の作品

彼は人物,風景,静物等を好んで描きました.それらの中から単なる思いつきで幾つか選びましたので,あれこれの理屈は抜きにして,しばしご鑑賞ください.ご承知とは思いますが,各絵をクリックして頂くと,拡大して見ることができます.


夕日 シテ通り 新緑の城内公園 桜島

まずは小品です.東京美術学校を卒業して間もない頃の作,“夕日”(H22cmxW16cm, 1933年頃)
です.続いてフランスに外遊時の“シテ通り”(46x53,1964)(唐津市近代図書館所蔵),佐賀市内の憩いの場,“新緑の城内公園”(24x34, 1972頃),そして彼の作家活動において重要な存在である,“桜島”(14x18,1974頃)です.


画家の家族 対話 花咲く溶岩帯

次は,代表的な大作を紹介します.“画家の家族”(194x130, 1951)[佐賀美術館所蔵],“対話”(113x131, 1960)[佐賀美術館所蔵],および“花咲く溶岩帯”(162x130, 1978)
[長崎美術館所蔵]です.日展においてそれぞれ,特選と朝倉賞菊華賞,および会員賞を受賞しました.特に菊華賞と会員賞は,それぞれの賞が設置された第1回目の受賞者ということで,先駆性を追い求めた創作活動が先人(forerunner)としての評価につながったようです


パリにて セーヌの滞船 トレド カイロの塔

最後に,外遊した折のスケッチを紹介します.“パリにて”(22x27, 1964),“セーヌの滞船”(38x45, 1964)(唐津市近代図書館所蔵),“トレド”(33x41, 1965),それに“カイロの塔”(24x18, 1965)(唐津市近代図書館所蔵)です.

石本作品,いかがでしたでしょうか? もし興味をもって頂けるようなら,石本秀雄:葉隠展を次のWebサイトで開催しています.どうぞご覧下さい.
    http://hagakure.drawing.jp/